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わたしが統合失調症を抱えながら妊娠するまで
わたしは統合失調症という持病を持ちながら、妊娠しました。
この病気を持つ女性なら、誰でも1度は「私って妊娠できるのかな」と不安や疑問に思ったことがあるのではないでしょうか?
わたしが統合失調症を抱えながら妊娠するまでのお話をしていきたいと思います。
・わたしの病気の症状は手帳でいう3級程度
妊娠前のわたしの病状はというと、比較的安定している慢性期でした。
統合失調症特有のいやな幻聴もなく、そこらへんにいる人と変わらず普通の生活を送っている感じ。
わたしの病気の症状は障害者手帳でいう3級程度で、お医者さんからも「軽度だね」と言われていました。
前もってかかりつけ医と妊娠について相談した
夫とは結婚する前に元々同棲をしていたのですが、入籍をしてからすぐにかかりつけ医に
「病気を抱えながら、妊娠できるのかどうか」
ということを尋ねました。
他のメンタルで病気を持つ人も同じように妊娠・出産しているということをお話してもらい、わたし自身も幸い病状が軽度だったので、「妊娠しても大丈夫でしょう」とお墨付きをもらえることができたのです。
このときに、妊活をすることを決意しました。
・妊娠したときは服薬はどうするの?
わたしは当時ルーラン(統合失調症の薬)を16mg飲んでいましたので、胎児へのリスクを考えるとこの量から減薬していくということを相談し決めました。
持病があるので、当時の私は妊娠に対してかなり計画的に考えていたと思います。
ルーランを4mg×4錠で薬を出してもらい、そこから妊娠中の様子を見て4mgづつ減薬していこうという方針に決まりました。
・統合失調症で妊娠することのリスクとは?
統合失調症を抱えたまま妊娠をするということのリスクについて説明したいと思います。
妊娠中はホルモンバランスが崩れることで有名ですよね。
このホルモンバランスの崩れが、もちろん精神疾患にも何らかの影響を及ぼすリスクがあります。
妊娠したら病状がどうなるのかは、誰にも分からないというリスクもあります。
ある種の賭けになりますよね。
万が一妊娠中にすごく体調を悪くしても、薬に頼ることが難しくなってきます。
また妊娠中もある程度は薬を服薬しなければいけないので、何らかの胎児への影響が出てしまうリスクもあるということ。
わたしはこの事実が一番不安でしたし、辛かったです。
統合失調症を抱えたまま妊娠することのリスクはあるのが現実。
それを受け止めた上で妊娠すべきだと、わたしは思います。
妊娠中の服薬には胎児への影響があるかもしれないというリスクがある
妊娠判明後、すぐに総合病院に転院することに
病院で妊娠について相談して数ヶ月後、わたしの妊娠が判明しました。
最初は命を授かったことが信じられなくて嬉しくて、トイレで手が震えたことを覚えています(笑)
妊娠判明後、1週間程度でかかりつけ医と相談して
婦人科と精神科が併科している総合病院に転院することが決まりました。
そちらでは精神疾患を抱えた妊婦さんの出産の実績があるということも教えて頂き、安心して転院することができました。
電車と徒歩で1時間くらいかけて、総合病院に通院することに!
・里帰り先の病院を早々に予約!
もちろん、私は人生で初めての妊娠と出産でしたので病気も抱えてることもあり
里帰り出産を希望しました!
夫も快く了承。
妊娠初期の8週目くらいに早々に里帰り先の病院(総合病院)に電話をかけ、
「精神疾患を抱えていること」をきちんと伝えて予約を取りました。
その時は安定期くらいに一度受診に来て欲しいと伝えられましたので、
妊娠5ヶ月の最初の頃に実家に帰り、里帰り先の病院を受診しました。
(後に妊娠5ヶ月で切迫流産の疑いがかかるのですが・・・)
減薬しながら妊娠期間中を過ごした
幸い、わたしの場合は妊娠中はメンタル面ではとても体調が良かったです。
お医者さんによると、女性ホルモンが急激に増加するので、情緒不安定になる方もいれば、逆に精神面などが安定する妊婦さんいるのだそうです。
・妊娠中の病気の状態は比較的安定
もちろん妊娠中も些細なことで夫と喧嘩したりなどはありました。
そのことで落ち込んだり訳も泣く泣いたりなど情緒不安定な時もありましたが、
統合失調症の症状が悪化したり幻聴・幻視が聞こえたり見えたりということなどは全くありませんでした。
むしろ「女性ホルモン最強!何でもかかってこい!」なんて思ってました(笑)
・妊娠12週頃に出生前診断を受けた
妊娠12週頃に血液検査で行う「新型出生前診断」を受けることを決めました。
出生前診断とは、さまざまな種類がありますが
私が行ったのは母体血清マーカーテストで、
妊婦から採血しその血液中の遺伝子を解析することにより
胎児の染色体や遺伝子を調べる非侵襲的検査のことを指します。
検査自体受けることって、どうなんだろう…。
もし異常があった場合はわたしと夫はどういう選択をすべきなのか…など悩みましたが、
やはり薬を飲んでいることがネックになっていたので、この検査を選択しました。
一週間後ぐらいに病院へ行き結果を聞きに行ったのですが、
「染色体異常などはないだろう」とのことで、胸をなで下ろしました。
新型出生前診断は確定診断ではないことを知っておきましょう!
・妊娠20週頃に出血!11日間の入院生活
妊娠5ヶ月になったので、里帰り先の病院を受診するために遠方の実家に帰っていた時です。
当時12月の年末間近に、夜にトイレに行ったらおりものに微量の鮮明な血がついているのを発見・・・!
量的には微量だったのですが、初めての妊娠だったのでパニックになり里帰り先の病院に急いで時間外受診をしにいきました。
CRP(炎症反応)が高いとのことで、「子宮内膜炎の疑い」「切迫流産の疑い」のWパンチでそのままその日からCRPがおさまった翌年の1月前半まで入院生活を経験しました。
(これがまた辛かった・・・)
・妊娠30週頃から服薬していなかった
無事退院した後に、すぐに実家から夫のいる自宅に帰りました。
そして妊娠後期の30週頃から早々と、出産に向けてまた実家に帰り臨月まで過ごしました。
その頃もメンタル面が調子が良い日が続いていたので、わたしの感覚だと薬なしでも大丈夫そうかなということもあり、里帰り先の担当の精神科医と相談してから服薬をやめていました。
(後にこの行為を後悔したのですが・・!)
出産まで断薬していても、夜は毎日睡眠を取れましたし(胎動が激しくて寝られないなど、妊婦らしい悩みはありました)統合失調症の症状が悪くなるということはありませんでした。
断薬を自分自身で勝手に始めてしまうのは危険!
必ずお医者さんと相談するようにしましょう。
出産は里帰り先で計画出産を選択
出産は、里帰り先の婦人科の先生とよく話し合って「計画出産」することに決めました。
なぜかというと、出産する時やその直後に体調がどう変化するのか分からないので
婦人科の先生や精神科の先生が立ち会いのもと、トータルカバーや直後のケアができるようにするためということでした。
人工的に陣痛を起こして赤ちゃんを出すことに、ほんの少しだけ赤ちゃんに申し訳ないという気持ちはありましたが、
「ママがダウンしちゃったら元も子もないよね!」と、すぐに気持ちを切り替えて出産に挑みました。
計画出産の予定日の前日に入院し、翌日に陣痛開始からおよそ5時間というスピード出産で無事に元気な娘を出産することができました!
もちろん出産は痛かったし、途中、わたしの呼吸の仕方が下手なのもあって
強い陣痛がくると娘の心拍が下がってしまうというハプニングがありましたが
手足をバタつかせて元気に出てきてくれた真っ赤なお顔の赤ちゃん。
私の愛しい娘!
出産の瞬間はわたしの人生で忘れられない大切な出来事になっています。
わたしは統合失調症を抱えながら、妊娠・出産することができました。
